ポーカーで稼いだ場合は、確定申告が必要となる場合があります。
ポーカーが趣味・副業である場合は一時所得として見なされるため、その年の1月1日から12月31日までの稼いだ金額が50万円以上の場合、確定申告が必要となります。
ポーカープロの場合は事業として見なされるため、必ず確定申告を行いましょう。
ポーカーで稼いだ場合は税金の支払いが必要
ポーカーで稼いだ場合、控除金額を上回っていた際に税金の支払いが必要となります。
具体的には、副業である場合はその年の1月1日から12月31日までに50万円以上を稼いだ場合、専業であれば所得金額が所得控除を上回っていた場合に税金の支払いが発生します。
副業か専業かで異なるのは、課税される税金の種類が異なるからです。
ポーカーで稼いだ場合の税の種類
ポーカーで稼いだ場合、副業か専業かで税の種類が異なります。
副業と専業に分けて、解説します。
副業(本業が他にある)の場合は一時所得
本業が他にある場合は、基本的に一時所得として扱われます。
1 一時所得とは
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
この所得には、次のようなものがあります。
(1) 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)
(2) 競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。)
(3) 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
(4) 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除きます。)
(5) 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
専業(プロ)の場合は事業所得
専業の場合は、ポーカーが仕事となるので事業所得となります。
ポーカーでいくら稼いだ場合に税金の支払いが必要になる?
副業または専業に関わらず、控除金額以上に所得があった場合に税金の支払いが必要になります。
副業(本業が他にある)の場合は稼いだ金額が50万円以上
一時所得で課税対象となる金額は、次のように計算を行います。
総収入金額-収入を得るために支出した金額(注)-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額
(注) その収入を生じた行為をするため、又は、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額に限ります。
ここでややこしいのが注意書きのある「収入を得るために支出した金額」です。
例えば、100ドルのトーナメントに出てインマネしなかった場合、参加費の100ドルは「収入を得るために支出した金額」にはなりません。
一方で、100ドルのトーナメントに出て入賞し、50ドルの賞金を得た場合、参加費の100ドルは「収入を得るために支出した金額」になります。
一時所得の計算の具体例
日付 | 参加費 | 賞金 | 収入 | 支出 |
1/20 | 100ドル | 300ドル | 200ドル | 100ドル |
4/20 | 50ドル | 50ドル | 0 | 0 |
7/20 | 100ドル | 0 | 0 | 0 |
10/20 | 50ドル | 0 | 0 | 0 |
合計 | 300ドル | 350ドル | 200ドル | 100ドル |
上記の例の場合、総収入金額が300ドル、収入を得るために支出した金額は100ドルとなります。
4/20の日付は、収入が発生していないので、支出を計算に入れない点がポイントです。
200ドルは約20,000円であり、特別控除額よりも小さいため、税金の支払いは発生しません。
専業(プロ)の場合は所得金額が所得控除を上回っている場合
専業の場合の所得金額は、次のように計算します。
総収入金額-必要経費=事業所得の金額
副業と大きく異なるのは、収入が発生しないときの支出でも必要経費として計上できることです。
所得控除として計上できる項目には、次のものがあります。
雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、 小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、 地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除
なお、日本国内に住所などがない、いわゆる非居住者の場合の所得控除は、雑損控除、寄附金控除、基礎控除の三つです。
一時所得の時と違い、控除の計算が複雑になります。
控除の計算は個人の事情に合わせて計算を行ってください。次に所得金額の計算例を示します。
所得金額の計算例
日付 | 参加費 | 賞金 | 収入 | 支出 |
1/20 | 100ドル | 300ドル | 200ドル | 100ドル |
4/20 | 50ドル | 50ドル | 0 | 50ドル |
7/20 | 100ドル | 0 | 0 | 100ドル |
10/20 | 50ドル | 0 | 0 | 50ドル |
合計 | 300ドル | 350ドル | 200ドル | 300ドル |
総収入金額は350ドル、必要経費は300ドルとなります。
つまり事業所得金額は50ドルとなります。
一時所得の場合は200ドルでしたから、このケースでは専業の場合に課税対象の金額が小さくなります。
ポーカーで稼いだ場合に支払うべき税金の金額はいくら?
副業の場合
一時所得は、その所得金額の1/2に相当する金額を給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。
課税対象金額に、一時所得の課税対象となって金額の2分の1を加えます。
例えば、本業の課税対象となる所得金額が300万円で、一時所得の金額が100万円であった場合は、350万円が課税対象となる金額であるということです。
専業の場合
納税金額は、次の式で求められます。
所得金額×税率-控除額
この式で使用する税率と控除額は、次のようになります。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
所得税の速算表(参考:No.2260 所得税の税率)
確定申告の流れ
ポーカーであっても、課税対象の金額さえ計算できれば、確定申告の方法は、基本的には収入源によらず同じです。
必要な書類を準備する
確定申告に必要な書類は以下のものです。
- 源泉徴収票(副業の場合)
- 支払調書(自身で作成した収支明細書でも可能)
- 領収書(専業の場合)
確定申告の期限までに申告する
確定申告は、毎年2月16日から3月15日までの間に行います。